美味しい牛乳をお届けするために
津軽海峡を臨む小高い丘の上の牛乳工場。それが私たち函館牛乳です。
1973年、酪農家を中心とした地域の仲間たちが力を合わせて、「株式会社函館酪農公社」を設立しました。全道の一元集荷、多元販売のシステムから離れて生産、販売を開始した当時の商品ブランド名「函館牛乳」が、ありがたくも地元道南地区の皆様に親しまれ、現在に至っています。
創業当時、北海道の牛乳生産に関していえば、広大な土地を擁する大規模な酪農経営のみに目を向けがちであった国の政策から、ともすればこの函館近郊は取り残されてしまうのではないかとの強い危機意識がありました。
その中で、産地としての生き残りをかけた取り組みを継続することが当社の創業の理念であり、それらは現在も共に歩む契約酪農家と一体となった取り組みの中で実践されています。
また、当時、販売経路を確保するための苦肉の策としてスタートしたのが、全国初の取り組みとして話題となった、直売車による移動販売です。
現在でも函館近郊と青森で専用トラックが走っており、「走るコンビニエンスストア」として、都市部の根強いファンの方や、買い物が不自由な地域のお年寄りから支持をいただいています。
函館牛乳では、牛乳を生産する契約牧場に消費者の皆さんを招き、さまざまな体験やふれあいを楽しんでいただく「産地交流会」を昭和58年から行っていました。
現在は「べこっ子まつり」として、七飯町の生産者が主体となり、函館牛乳の社員も協力しながら活動しています。
牧場の素晴らしさを満喫してもらうこと、酪農家自身が消費者の皆さんとふれあうことを目的としたイベントとして好評を博しています。
また、工場に隣接した売店「あいす118」では、工場見学コーナーや哺乳体験も行っており、多くの方が来店しています。
酪農家が自らの土地を大切に育てた結果、健康な土から健康な草が育ち、それを食べる健康な牛の乳が人々に笑顔をもたらし、人々の笑顔が再び酪農家の「生きがい」につながる。「おいしい牛乳」あるいは「おいしい乳製品」はその環の中にあってはじめて実現されるものです。
これらの実践として、函館牛乳では契約酪農家と協力して土壌の改善に努め、生乳の細菌数と体細胞数を独自の基準で管理し、その評価を乳価に反映させることで産地全体の乳質向上を図っています。毎年、牛舎衛生検査も行っており、より高い品質を目指して酪農家と共に牧場の衛生管理を徹底する努力を続けています。
「あたりまえ」を「あたりまえ」の事として行う姿勢は、製品製造の現場においても貫かれています。
牛乳はもちろん、ヨーグルトなどのその他の製品に関しても、添加物を極力使用せず、生乳本来の素材のおいしさを活かしたものを製造しています。
これらの自然性のあらわれが「おいしさ」となり、皆様に信頼されるとともに喜んでいただけていると私たち函館牛乳は信じています。